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11.おさななじみ vs. いいなずけ⑥

مؤلف: 鷹槻れん
last update آخر تحديث: 2025-06-23 05:00:27

 美味しいものたんまり食べさせてもらわないと気が済まないんだからね!?

「は? 婚約者とか……何だよそれ!」

 そうして何故か寛道(ひろみち)の怒り?の矛先が私の方を向いてる気がするのは、間違いでしょうか?

 なのに頼綱(よりつな)ってば、さも何でもないことみたいに「知らないのかね? フィアンセ、許嫁、結婚を約束している相手のことだよ」とか、わざとらしく受けて立つもんだから火に油状態で。

「そう言う意味じゃねぇよ! バカか! なぁ花々里(かがり)っ、嘘だろ!? そいつに脅されてんなら俺が助けてやるから素直に言えよ!」

 ほらね。

 ますます面倒なことになったじゃない。

 寛道は小さい頃から私のことを自分の所有物か何かだと思ってる節があるの。

 その〝オモチャ〟が、勝手に他人のものになってるとか、そりゃ、許せないですよね。

「こ、婚約は……してない、と思う。でも――」

 頼綱の部屋の金庫に仕舞われているはずの婚姻届が〝結婚の約束〟にならないということ前提ならば。

 あれが手元に取り戻せていない以上、下手に頼綱を刺激して「だったらこれを提出してくる」とかにならないか、とっても心配なのよ?

「でも――、なんだよ?」

 煮え切らない言い方をしたのが仇になって、さらに詰め寄られる羽目になってしまった。

「こ、婚姻届にサインしちゃった……的な?」

 あはは、と笑いながら軽く言ってみたけれど、流してくれるはずなかったですっ。

「はぁ!? なんだよ、それ! お前、バカなのっ!?」

 って即行で返されて、グイッと手を引っ張られてしまう。

「ひゃっ」

 急に引き寄せられて、よろりとよろめいて寛道の腕の中に収まった私を見て、頼綱が超絶不機嫌そうな顔になる。

「あ、あのっ、寛道、ちょっとっ」

 頼綱が怖いので離して!とは言えず――。

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  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ⑤

    「――花々里《かがり》。確かに鳥飼《とりかい》はハンサムだけどね。さすがに目の前で僕以外の男に興味を持たれるのは面白くないんだけど?」 私は今、怖ぁ〜い顔をした頼綱《よりつな》に壁際に追い詰められています……。 ひーん。 口調も「僕」だしっ。 ねぇ頼綱。 私、別にあの人に興味なんて持ってないよ? ヤクザ屋さんじゃなかったんだ!って思っただけだし。 こんなキラキラした頭の研修医がいる病院ってすごいなって感心しただけだよ!? それにあの綺麗な金色を見ていたら……。 じゅるり……。  思わず生つばが込み上げてきて、私は慌てて口の中ににじみ出てきた唾液を嚥下した。 そもそも――。「私、顔は断然頼綱の方が好……」 思わず要らないことを言いそうになって、慌ててブンブン首を横に振った。 「好みの顔」=「好き」じゃない。「好みの顔」=「好き」じゃない。「好みの顔」=「好き」じゃない。 自分に言い聞かせるように心の中で3回そう唱える。 何で3回なのかは自分でもよく分かんないけどああ言う系は大抵「3」だと相場が決まっているもの。 わーん。雨宮《あまみや》さん(の奥様?)、早くオーダー取りに来てぇ〜! 追い詰められた私は助けを求めて障子戸を見つめずにはいられない。 それがまた、頼綱には鳥飼さんを求めているように見えて?気に入らなかったみたい。「言っておくけどね、花々里。鳥飼はダメだ。あいつはひとりの女と長続きした試しがない」 言われなくても見た目で十分判りますっ。 っていうか私、そんな目であの人のこと見てませんし。 強いて言うなら――。「天ぷら……」

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ④

     わー、すごい綺麗な金髪! 歳は頼綱《よりつな》たちと同じぐらいかなぁ。 髪が金色なだけで人ってこんなに日本人離れして見えるんだ。顔が整いすぎてて何だかちょっと怖く見える……かも。目つきも鋭いし……もしかして、不良?「御神本《みきもと》さんが……?」 なのにそんな金髪の彼でさえ頼綱を見る目にはどこか一目置いているような気配があって。 英語とか喋られたら、私、絶対頼綱の影に隠れていたと思う。けれど彼の口から出たのは耳慣れた日本語で、私にも理解できてホッとする。 まあ、「鳥飼」と言う苗字――だよね?からして日本人なんだろうし、当たり前なんだけど。 そんな金髪の彼が。「あー、お疲れ様です」 って頼綱に向けて頭を軽く下げてくるとか……。 何? 頼綱。あなた、実はここいら一帯を牛耳るボスか何かなの!?「鳥飼《とりかい》も今日は昼までかい?」 そんな私のソワソワなんてどこ吹く風。 そう言えばどこぞの組の若頭と言った風格すら漂わせる私の雇い主が、少し目を眇めるようにして鳥飼さんを見詰めて。 次いで私にちらりと視線を注いだかと思うと、あからさまに鳥飼さんから遠ざけるように立ち位置を変えた。 やっぱり鳥飼さん、カタギの人じゃないの!? ねぇ、頼綱、そうなの!? ドキドキする私を横目に鳥飼さんが「いや、俺、今日は夜なんで……」 と答えて。 夜……? 夜の何!? 疑問符が臨界点を超えた私は、ちょんちょん……と頼綱をつついた。 そんな私に、頼綱がわざわざ肩を抱くようにして「なんだい、花々里《かがり》?」と顔を見つめてくる。 頼綱、かっこいいな。 照れるから至近距離で見下ろすの

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ③

    「あまみやにはね、2人向けの個室がひとつだけあるんだ。完全予約制のそこを使うときは雨宮《あまみや》の奥方の協力が必要不可欠でね」 そう言って、私の手を引いて店の奥手に向けて歩き出す。「雨宮1人で切り盛りしてる店だから。カウンターが詰まってくると個室への配膳なんかまでは手が回らなくなるんだ。だからって客に取りに来させるわけにもいかないだろう?」 そこで私の瞳をじっと覗き込んでくると「内助の功ってやつだ。実にうらやましい」 と小さく吐息を落とした。「頼綱《よりつな》もそんな奥さんを見つけたらいいじゃない。病院の跡取り息子ともなれば引く手数多でしょうに」 言って、じっと頼綱を見つめたら、「花々里、キミはひとつ勘違いをしているみたいだけど……。俺はまだ家を継いでいないからね?」と言われて。 私は「え?」と思った。「でも頼綱は……」「ああ、もちろん医者だよ。けど、――まだ研修医だ」 って嘘ぉ! 初耳なんですが!「いずれは実家の産婦人科を継ぐつもりではいるけどね、いま俺が配属されてるのは小児科だ」 私はその言葉に瞳を見開いた。 小児科という言葉で、勝手に白衣ではなく可愛い動物のアップリケがついたエプロン姿の頼綱が頭に浮かんでしまい。 思わずププッと吹き出してしまう。「頼綱にパンダのアップリケは似合わないと思うの」 思わずつぶやいて「え?」という顔をされる。「頼綱なら……。うーん、そうねぇ。ライオンとかがいいんじゃないかしら?」 脳内でパンダ、ゾウ、キリン、ウサギ、ニワトリ、イヌ、ネコ……と次々に試着を繰り返してから、それが一番しっくりくるという結論に達した。「まぁ、トラとオオカミも捨てがたいけど」 あ、待って? 鰻とか案外似合いそうじゃない!? 頼綱といえば私に美味しい

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ②

    「やぁ雨宮《あまみや》、久しぶりだね」 そのカウンターの奥、朴訥《ぼくとつ》という言葉がしっくり来る、黒髪・短髪の店主さんがいた。 頼綱《よりつな》の呼びかけから察するに、屋号にもなっている「あまみや」というのが彼の名前らしい。 キリッとした少し濃いめの眉毛に、板前然とした白の和帽子。そこから出ているところは綺麗に刈り上げられていて、とてもお堅そうな印象。 七分袖の真っ白な法被姿も、如何にもキチッとしていて、謹厳実直そうに見えた。「御神本《みきもと》先輩、お久しぶりです」 先、輩? 頼綱に向かってぺこりと頭を下げる雨宮さんを見て、きょとんとする。「ああ、彼は俺の中学時代の後輩なんだ」 何の?と思ったら「将棋部のね」と言われて、その老成したイメージに、妙にしっくりきてしまった。 っていうか中学の部活で将棋部とかあったの!と驚いてしまったのだけれど。「珍しいだろう? 将棋部」 ってまるで心を読まれたみたいに言われてしまった。 私は「分かりやすいみたいだから気をつけよう」と前に思ったことをふと思い出す。「雨宮、こちらは俺の許婚の――」「奉公人の!! 村陰《むらかげ》ですっ」 許婚、というのをかき消すように被せたら「使用人とふたりきりで料亭にくるとかおかしいだろう」と頼綱に至極まともな駄目出しをされる。 でもっ。 私はあくまでも……あなたとは雇用契約で結ばれただけの存在でいたいの。って言うか、いなきゃいけないのっ!「婚姻届にもサインしておきながら情《つれ》ない女だ」 とか……。 話がややこしくなるのでいらないこと言わないでいただけます!?「御神本先輩、今日は個室でいいんですよね?」 私の心配をよそに、雨宮さんが至ってマイペースにそう言った。 店員

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ①

    「予約はね、取ってあるんだ」 ここは一般の和風建築のご家庭ではないですか?という雰囲気。 植え込みの間を縫うような小道に、白くきらきら輝く玉砂利がまかれていて、その中をまるでここを通って行くいんだよ、と教えるように木曽石《きそいし》――花崗岩《かこうがん》――の丸っこい飛び石が伸びる。 頼綱《よりつな》の家の、長い長い石畳の通路とはまた違った風情で、規模が小ぢんまりしている分、どこか鄙びていて趣深いようにすら感じられて。 今は昼間だから付いていないけれど、道のそこここに配置された小さな灯籠型ガーデンライトは、暗くなってきたら通路を照らす道しるべになってくれるんだろう。 その飛び石の道を、頼綱について恐る恐る渡って行く。 本当にここ、お店……なのかなぁ? どう見ても一般のお宅にしか見えない。 不用意に付いて行ったら、家の中から和装美人な頼綱の彼女とかが出てきて「あらヨリさん、ご飯食べに来てくれたの? 入って、入って♥」とか……そんなことにならないかしら。 三文芝居のようなチープな絵面が思い浮かんで、思わず足が止まってしまう。 だって、もしそんなことになったら、そこにのこのこ付いていって居合わせた私は、とんだ道化役だもの。「花々里《かがり》?」 と、急に立ち止まってしまった私をいぶかしんだ頼綱に呼びかけられて、早くおいで?と急かされるように手を引かれた。「あ、あのっ、私やっぱり……」 帰る!って言おうとしたら、頼綱の背中越し、縦格子の引き戸にシンプルな生成りの半暖簾《はんのれん》が掛かっているのが見えた。 暖簾があるってことはやっぱりお店だったんだ!とホッとした私は、現金にもそそくさと頼綱の横に並んだ。 暖簾には墨でさらりと書き流したような流麗な文字で「あまみや」と書かれていて――。 せっかく暖

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   13.続いたっていいじゃない!

     頼綱《よりつな》は運転席に乗り込むとすぐ、私に覆い被さるようにしてシートベルトを掛けた。 そうして門前で何なく向きを変えて音もなく車を発進させる。 頼綱が近づいてきた瞬間、ふわりと鼻先をくすぐった爽やかな香りに、頼綱の匂いだと嫌でも実感させられる。 そうして柄にもなく私、ドキドキさせられるの。「あ、あのっ」 寛道《ひろみち》が道端に呆然と佇んでいるのを窓越しに見るとは無しに見送りながら、戸惑いを払拭するようにずっと気になっていたことを口にした。「おっ、お昼は櫃《ひつ》まぶし、だよね?」 言ったと同時にガチャッと集中ドアロックがかかって、私は思わず身体をすくませる。「ご飯……食べさせてくれるっていうの……嘘だったの?」 わざわざ鍵を掛けて逃げられないようにされたってことは……きっとそうなんだ。 お腹空いてるのにっ。ご飯だって言うからついてきたのにっ。「頼綱の、バカ」 まんまと罠にハマった気がして……慌てて窓外に視線を流す。 それで、ぐんぐんスピードが上がる車から今更途中下車なんて出来ないって悟った私は、余計に悔しく思ったの。 視線を車内に戻した私は、せめてもの抵抗にと恨みがましい目で頼綱を見つめた。「ねぇ花々里《かがり》。何故いきなりそんな展開になるんだい?」 すっかり魔王に攫われたお姫様気分に浸っていた私は、呆れたようにそう問いかけられてもピンとこなくて。「飯を食いに連れて行かないなんて、ひとことも言ってないんだけどね?」 前方を見据えたまま、溜め息まじりに付け足す頼綱に、私は「だって……鍵が……」と訴える。「もしかして、集中ドアロックが掛かったのが不満だったの?」 静かに問われて、私はコクンとうなずいた。「これは仕様だよ、

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